高野宮子(5)

スペースカウボーイの逆襲
角川アスカコミックス

スペースカウボーイの逆襲 (あすかコミックスCL-DX)

スペースカウボーイの逆襲 (あすかコミックスCL-DX)

 
西暦39XX年
人類は宇宙へ進出しまくっていた
……なーんてライトなノリで始まるこの物語は、前中後の三話構成。
主人公はハリー(はりまみのる)、仲間にカキ、くま星人のテディ。ヒロインのアマンド(デメル王国王女さま)。彼らが未来の宇宙で繰り広げるスペクタクルロマン
涙あり笑いありの、高野さんらしさがぺかぺか光っている作品です。
 
惑星トーキョー・惑星シュゼンジ、なんてナイスなネーミング。
惑星アキタのお百姓さんが使っていた船には囲炉裏がついている。
宇宙のワープにはインターチェンジを使って、道路交通公団が窓口でお金をとる。
なんつー発想なんだと驚嘆するしかありません。
こんなだったら世界も平和だろうに。
登場人物の価値観が、現代人と全く変わってないトコがミソ。あぁでもケータイがない時代だわ〜。
 
高野さんの若きイマジネーションが弾けている名作です。
「降ってきた男」を予感させるなんちゃってなSFで、B級映画を観るかのような、妙〜な安心感。
高野さんコメディの真髄を味わえる作品であります。ナイスASUKA(掲載誌)
 
表題以外で短編も入ってまして、「さぼてん男」はシリアスな流れをぶったぎるラストが秀逸(笑)です。
ああいうのって、やりたいと思っても、恥ずかしかったり編集さんにダメ出しされそうで普通だったら躊躇するはず……。
高野さんはすごい人です。もっと描いてほしいけど今はいずこに〜?
そっか戦国BASARAか……。