高野宮子(3)

せっかくなので、全ての単行本を紹介したいと思います。

Spoon (Asuka comics CL-DX)

Spoon (Asuka comics CL-DX)

高野宮子さん、初の単行本です。出版社渡り歩いているのな…すごい。

SPOON (全一巻)角川書店

表題作は「SPOON」、それを含めて短編が5篇収録されています。
「RALPH」
高野さんのデビュー作。遙か未来の今よりちょっと進んだ世界の話。
その世界のペットは、生き物の形を模した模造物<レプリカ>
しかしアリーは本物の犬を飼っていた。それがラルフ。
涼一はそんなアリーが羨ましくて、でも彼らのことが大好きだった…。
 
ラストのシーンで、はじめて宇宙に行った生き物はラルフの仲間だった、彼らは一人で宇宙で死んでいった。けれど君には僕がいたから、そのことで少しでも君が幸福だったらいいと思う…
そのモノローグにわたくしは、ちょうどその頃プラネテス(宇宙ものアニメ)のOPでロケットに乗せられている犬やチンパンジーの描写をみていたから、うるっと涙しました。
この方は、モノローグというか、間接的な語りかけがものすごく上手なんです。
若さがびゅんびゅんあふれている感じ。
 
視点を変え、巻末に収録されている話に続きます。
つか2篇目のがきんちょがお祖父さん姿で巻末の話に出てきます。
びみょーにリンクしてる。読者に気づいて貰えるかどうか、ギリギリのラインだと思う。
 
最後に趣味なものが、
「CANDY」
これは究極の愛の形の一つだと思う。
――鳴海は小さい僕のいとこ――
――君が17才になったら、僕は32才――
てなかんじで、今現在5才くらいの幼女に魂で恋しちゃうんですよ!
そんでもってその子も自分を好いてくれてる。
なんて幸せな二人なんだろう。あと12年そんな状態を続けることが出来るとすれば、本当にいいだろうなぁ。うらやますぃ…。
 
他の単行本にリンクする話はありません。
短編をすっきりと丁寧に描くことが出来る作家さんです。
そう…、そして鳴海ちゃんがんばれ!